後遺障害の併合

後遺障害が二つ以上ある場合は、後遺障害等級を繰り上げ認定されることがあります。
これを後遺障害の併合といいます。併合を表にすると下記のとおりです。

一番重い等級次に重い等級→繰り上げ[併合]
1~5級1~5級 3級繰り上げ
6~8級2級繰り上げ
9~13級1級繰り上げ
6~8級6~8級 2級繰り上げ
9~13級1級繰り上げ
9~13級9~13級1級繰り上げ

後遺障害の併合は複数回行われることがあります。

複数の後遺障害があれば、複数の後遺障害の併合が行われることがあります。

後遺障害の併合の順序は、まず「系列の同じもの」を併合し、つぎに「系列に異なるもの」を併合します。(系列が同じ時は、併合とは言いませんが、とりあえず併合と言います)
どういう後遺障害が同じ系列かは、後遺障害等級表の記載を確認します。
たとえば、交通事故で、右と左の膝に障害が残り、さらに左足に関節機能障害が残った場合。まず同じ系列である左脚の関節機能障害と左脚の膝の障害を併合します。これらの後遺症外は両方ともに後遺障害等級12級ですから、併合して後遺障害等級11級相当となります。次に、右の膝の後遺障害と併合すると、左脚が後遺障害等級11級相当と右脚が後遺障害等級12級ですから、併合して後遺障害等級10級相当となります。ただ、目については、両目で一つの後遺障害と扱うため両目の障害でも、併合は問題になりません。

過去の後遺障害との併合について

後遺障害が同じ系列の場合併合される場合があります。

交通事故以前に既に後遺障害にあった人が、交通事故で、「同じ系列」について負傷し、後遺障害の程度が重くなった場合、過去の後遺障害とも併合認定されます。
たとえば、以前、交通事故で左足関節機能障害(12級)の後遺障害を有していた人が、別の交通事故で、新たに左膝関節の用を廃した場合、右膝関節の用廃そのものは、本来、後遺障害等級8級ですが、以前の後遺障害等級12級と併合認定されて後遺障害等級7級となります。
つまり、同じ系列の後遺障害の場合、後遺障害の時点が異なっても併合認定されます。
なお、後遺障害の部位が別系列の場合でも、組合せを規定しているため同一系列とされている場合も、過去の後遺障害等級と併合されます。たとえば、左腕を手首から失った被害者(後遺障害等級5級)が、新たに右腕を手首から失った場合は、両腕を手首以上で失ったとして後遺障害等級2級となります。

高次脳機能障害との併合について

後遺障害等級の別表1と別表2では、併合認定をしないという規定となっています。

高次脳機能障害で2級認定を受けた場合に、同時に右腕も全く機能しなくなった(5級)場合、併合認定で1級とはなりません。

そもそも後遺障害等級の別表1に該当する後遺障害は、併合認定をしないことになっています。 これは、条文の構造上そのように規定されているからです。それを受けて自賠責保険の賠償では、高次脳機能障害は、併合扱いの対象にしないことになっています。

後遺障害等級の併合の例外

後遺障害等級全体の序列の維持から、行われない場合があります。

たとえば、二関節と一関節の機能に後遺症が残った場合。二関節が後遺障害等級は6級で、1関節の後遺障害等級は8級となります。 通常の後遺障害等級の併合のルールでは一番重い後遺障害等級の6級に、次に重い等級の後遺障害等級8級を併合すると、後遺障害等級は併合により二等級繰り上げて4級になるはずです。 しかしこの場合後遺障害等級は6級に止まります。なぜかというと一つ上の5級には、一上肢全廃という後遺障害があります一上肢全廃というのは、一上肢の機能が完全に失われること、つまり上肢のどの部位も動かせない場合です。つまり。3つの関節の機能に後遺障害が残った場合が後遺障害等級4級でより後遺症として重い一上肢全廃の後遺障害等級5級よりも重い障害認定を受けるという不均衡が生じます。そのため、この場合の後遺障害等級は6級となるのです。